2026年7月度全国テレビ通販
データ分析レポート〜7月は「空調特需」と「漢方薬の同時急拡大」が鮮明に〜
本レポートは、テレビ通販市場のリアルな動向を正確に捉えるため、全国のテレビ通販番組・スポット出稿の一次データをもとに、2026年7月分の分析結果を発表いたします。6月データとの比較では、猛暑を背景にした冷暖房家電カテゴリーの放送量急増と、複数の異なる企業が同じ漢方処方の商品を同時に拡大させるという、興味深い動向が確認されました。

冷暖房家電カテゴリー、放送量が前月比+29.7%と大幅増
猛暑を背景に、冷暖房器具(エアコン・扇風機・冷却寝具など)カテゴリーの出稿は前月比で大幅に増加いたしました。商品スポット数だけでなく、放送枠数・総放送分数もほぼ同じ幅で伸びており、1枠あたりの商品を詰め込んだ結果ではなく、実際にこのカテゴリーへ割かれる放送時間そのものが拡大していることが確認されております。
ただし、カテゴリー全体の増加分(+942件)の内訳を見ると、「日立 ルームエアコン 白くまくんDTシリーズ」(ジャパネットたかた/47件→510件)1商品で増加分の約49%を占めております。残りは「ダイソン Cool AM07 扇風機」「シャープ プラズマクラスターエアコン」(いずれもジャパネットたかた)、「COCOHIE ヒンヤリ快眠セット」(オークローンマーケティング)がそれぞれ15〜16%ずつを分け合う形となっており、カテゴリー全体の底上げではあるものの、伸びの半分近くは少数の商品が牽引している点には留意が必要です。
「八味地黄丸」系漢方薬、複数企業が同時に出稿拡大
薬事区分別では、OTC医薬品(一般用医薬品)が前月比+16.9%(放送枠・総放送分数も同率で増加)と大きく伸びております。内訳を見ると、上位5社の占有率が67.1%から80.1%まで上昇しており、伸びの中心が特定の人気ジャンルに集中していることが窺えます。
「腎気八味地黄丸」(新甲賀漢方)、「真八味地黄丸」(エムズサイエンス)、「薬師八味丸」(日本薬師堂)はいずれも「八味地黄丸」という同じ漢方処方(頻尿・腰痛など加齢に伴う症状向け)をベースにした商品であり、異なる企業がほぼ同時期に出稿量を拡大させております。7月には「頻尿・腰痛でお困りの方に!生薬のチカラ!」という新規番組枠も出現(48件)いたしました。単一企業の一過性キャンペーンにとどまらず、同じ処方・同じ悩みを訴求する商品群が業界全体で同時展開されている点が特徴的です。
なお、OTC医薬品全体の純増(+462件)のうち、新甲賀漢方1社の増加分(+715件)だけで純増を上回る規模を占めております。この+715件の背景には、主力商品「腎気八味地黄丸エキス錠」(2パッケージ合計 172件→686件)を中心に、同処方の別剤形(22件→114件)、別処方の「強活腎散」(新規83件)、さらに育毛薬(7件→33件)まで、同社が扱うOTC商品全体へ出稿が拡大した結果が挙げられます。
一方、同じ「八味地黄丸」処方を扱うフォーリーフ製薬「よろず漢方堂 百寿八味地黄丸」は460件から32件(-93%)へ急減しております。そのため、カテゴリー全体の伸びは新甲賀漢方1社の出稿拡大と同業他社の急減が相殺された結果でもあり、「業界全体が底上げされた」というよりは、「同じ処方を巡る企業間のシェア移動が起きている」と見るのが実態に近いと言えます。
データから見るテレビ通販市場の動向
「テレビ通販は“安定した定番市場”と見られがちですが、月次データを継続して見ると、季節要因に応じたカテゴリーの入れ替わりや、複数社が同じ商品ジャンルに一斉に注力するような動きなど、想像以上に動きの速い市場であることが分かります。ordrは今後も一次データに基づいた市場の実態を発信してまいります。」































